2012年02月29日

星の巡礼☆



冬の夜空は空気が澄み切っているので星が
凛としてとても綺麗です。
「現代人には2つのタイプがある。
見えるものしか見えないタイプと、見え
ないものを見ようと努力するタイプだ。」
これは輝先生の『三十光年の星たち』から
の抜粋ですが見えないものの中に一体何が
隠されているのか…!?。
それを探しに行くのがこの詩における私の
巡礼なんだなと思いました。
夜景.JPG


      星の巡礼

      或る日、あなたと出逢った。
      ごく普通に言葉をかわした。
      でも心の隅っこのほうで
      星が煌めいたと思ったのは
      私だけではなかった。
巡礼.JPG

      何気ない会話の中に
      仄かに香る非日常的な匂い。
      星のざわめきは
      確かにあなたのほうから
      聞こえてきたのだ。

      硬い殻で覆われた
      無垢な魂にふれたとき
      星と星の均衡が破れて
      流れてゆく先には
      何があるのだろうか。

      動き始めた星の胎動を
      誰も止めることは出来ない。
      そばにあなたを感じながら
      探し物を見つけるために
      私は星の巡礼に出る。



   三十光年の星たち (上) [単行本] / 宮本 輝 (著); 毎日新聞社 (刊)   三十光年の星たち (下) [単行本] / 宮本 輝 (著); 毎日新聞社 (刊)

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2012年02月27日

みのむしの散歩

ある冬の日に庭の木にみのむしをみつけました。
厳しい寒さを蓑の中でしのいでいる様子が妙に
いじらしくてその生態について調べてみることに
しました。

雄は蛾になるけれど雌は形を変えず蓑の中で
一生を終えること。
雄は蓑の中の雌と交尾するとすぐに死んで
しまうこと。
見た目で想像していたのとは違ってずいぶん
切ない生涯に思えました。
そんな交尾のあと孵化した子供達は蓑から出て
風に乗って分散し、到着した葉や枝で自ら蓑を
作って越冬するのです。

そんなみのむしが子供たちに託したもの。
それは何だったのだろうか?
そんなことを想いながらこの詩を書きました。


   みのむしの散歩

    みのむしの雌は蓑の中で
    その一生を過ごす。
    蛾になった雄と交尾して
    たくさんの子を産んだ後
    乾涸びて蓑の中で生き絶える。

    厳しい冬が終わったあと
    うららかな春の日を浴びて
    蓑の中で静かに眠る私を
    起こすのは誰・・・。
    やがて私はさなぎとなって
    その時をじっと待っている。
baru2.jpg
    夏になり私には無い羽を持ち
    広い世界を飛び回っている
    あなたが突然やって来た。
    蓑の中の穏やかな日々が
    あなたとの交尾によって
    がらりと変わっていく。

    あなたはすぐに飛び去り
    私は外の世界を垣間見る。
    あなたが感じた世界を
    夢で描きながらまどろむ。
    自由への憧れが私の体内で
    少しずつ新たな命を育む。

    生命が爆発するかのように
    子供たちは糸を頼りに
    蓑を飛び出していく。
    肉体が乾涸びた後
    私は一陣の風となって
    自由気ままに散歩する。

    蓑の中で明日を夢見る
    子供たちのために
    子守唄を口ずさみながら。


   約束の冬(上) [単行本] / 宮本 輝 (著); 文藝春秋 (刊)    約束の冬(下) [単行本] / 宮本 輝 (著); 文藝春秋 (刊)

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2012年02月26日

柴犬の遠吠え

子供の頃ジャック・ロンドンの『野性の呼び声』や
『白い牙』が大好きでした。
私自身も満月の夜は狼男のように眠っていた
野性が呼び起こされるような不安を感じていた
ような気がします。

我が家で飼っているバル(柴犬)は『彗星物語』の
フックのように自分を犬だとは思ってませんが
ざわざわとするような月夜に救急車のサイレンを
聞くと遠吠えをすることがあります。
仲間に応えるようなその遠吠えを聞いた時だけ
バルにも野性が残ってるのかなと感じます。

   遠吠え
baru.jpg
    美しくしなやかな肢体は
    月の光を浴びながら
    闇の中をひた走る。
    貪欲で誇り高き白き狼。
    自由を奪うものには牙を剥き
    生命をかけて闘いを挑む。
    孤独を勲章にして
    己の領域を死守する。
    純潔を守る白き牝の狼。
    燃える瞳に秘められた
    未知の世界への恐れを
    月だけが知っている。
    処女の一途さで
    月に向かって吠える。
    私は決して負けたりしないと。

    或る日、蒼き狼が通りかかる。
    白き狼は必死で牙を剥く。
    蒼き狼は黙って時を待つ。
    白き狼がずっと守ってきた
    誰にも侵されることのなかった
    草原に少しずつ風が吹き始める。
    白き狼は初めての経験に
    畏れ慄き身体を震わせる。
    やがて月が満ちる日が来たとき、
    白き狼は自分の内部の
    微妙な変化に驚く。
    今まで誰も知らない
    心の奥に隠された静かな湖に
    一つの石が投げ込まれる。
    その波紋は緩やかに確実に広がっていく
    石はゆっくりと落下していき
    やがて湖の底にたどり着く。
    初めて人が月に降り立ったような邂逅。
    白き狼は己が狭量であったことを知る。
    蒼き狼は白き狼と共に
    月に向かって吠える。
    世界を共有した歓喜の歌。

    しかし、蒼き狼は去ってゆく。
    白き狼は別離の辛さに褥を濡らす。
    処女の時代を喪った白き狼は
    自分を見失ってうろたえる。
    そのとき白き狼は初めて気がつく。
    蒼き狼は草原を吹きぬけていった
    風だったのだと。
    風が止んでも白き狼の住む草原は
    豊かに生命を育んでゆく。
    白き狼は慈しみの心をこめて
    月に吠える。
    白き狼は月の光を浴びて
    月の元へと帰っていく。


   彗星物語 (文春文庫) [文庫] / 宮本 輝 (著); 文藝春秋 (刊)

     
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2012年02月25日

「螢川」を訪ねて…

過去の詩ばかりをアップしていると、、、
若かりし頃の未熟な自分が照れくさいので
たまには生まれたての詩を載せてみます。

ずいぶん前になりますが静岡から富山まで
車で出かけたことがあります。
富山に行った目的は私が大好きな作家の
宮本輝先生の「螢川」が見たかったから。
五月だったのに山道にはまだ雪が残って
いました。
安房峠を通って神通川のダム湖のそばを
通りました。
そのダム湖の水の色があまりにも美しくて
しばしの間、茫然と見とれていました。
その湖を想い浮かべながら書いた詩です。

少しは成長しているでしょうか(^-^)

   祈 り

    深い深い山のなか
    雪にひっそり閉ざされた
    碧色の湖のほとりで
    ひとり君のことを想う

    夜は眠れているだろうか
    怖い夢を見ていない?
    傷つきやすいくせに
    突っ張ってばかりいて
    揺らぐ心を秘めたまま
    生きていくのはつらいね

    愛を安易に言葉にすると
    はかなく消えてしまうから
    ただじっと黙っている
    厳しい冬が終わって
    流れ出す雪解け水が
    大地を潤す日が来ると
    今なら信じられるよ

    深い深い山のなか
    雪にひっそり閉ざされた
    碧色の湖のほとりで
    ひとり君の幸せを祈る

   蛍川・泥の河 (新潮文庫) [文庫] / 宮本 輝 (著); 新潮社 (刊)

posted by なる at 08:18| Comment(6) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2012年02月24日

青い薔薇と赤い薔薇

昔々、青い薔薇を作るのは不可能だったので
青い薔薇の花言葉は「不可能」でした。
青い薔薇は実際には存在してなかったのに
花言葉だけあったのです。

後に某酒造メーカーのサン○リーが開発した
ブルーローズの名前はアプローズ(喝采)。
その花言葉は「夢 かなう」だそうです。
もっともブルーローズといってもその色は
ラベンダーに近い青紫色です。
ちなみに私はサン○リーのまわし者では
ありませんのであしからず(^-^;)

私が書きたかったのは青い薔薇ではなく
「愛」という花言葉を持つ赤い薔薇が
愛を失って蒼ざめている様子でした。
愛の復活を信じながら、実現しないのは
この詩を書いた当時の私自身があまりに
未熟だったからでしょう。

雪の女王ではなく自らが勝手に作った
氷の欠片なんかに負けてたまるか!
今はそう決意しています☆⌒o(*^ー゚)

   蒼ざめた薔薇

    君の瞳に刺さった氷の欠片
    雪の女王が息をかけた君の涙
    いつから凍ったままなのか
    その氷を溶かすことが
    君への愛だと思っていた
    でも知らないうちに
    私の瞳に隠された氷の欠片が
    君の瞳に刺さった氷の欠片と
    共鳴するかのように
    カチカチと音を立てていた

    私の瞳に刺さった氷の欠片
    熱き血汐で溶けてゆく
    密かに息づいていた種子が
    やがて小さな芽を出し
    蒼ざめた薔薇が咲く
    一つまた一つもう一つ
    三つの蒼ざめた薔薇は
    完璧なる三角形を保ちながら
    まるで万華鏡のように
    君の瞳の中で姿を変える

    君の瞳に刺さった氷の欠片
    蒼ざめた薔薇の棘で
    少しずつ砕け散っていく
    でも細かい氷の粒子は
    まだ溶けないままで
    薄いヴェールとなって
    君と私の間を隔てている
    私はじっと待っている
    いつか君が咲かせる薔薇が
    蒼ざめていないと信じて

posted by なる at 07:25| Comment(4) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2012年02月23日

慈雨の音を聞きながら…

今日はしとしとと雨が降っています。
今の季節の雨はひと雨ごとに春の訪れを告げる慈雨。
その慈雨の音を聞いていると、以前シュリーマンの
「古代への情熱」を読んだことを思い出しました。
私、小さい頃から考古学って好きなんですよね。
遺跡の発掘もさることながら化石も好きです。
始祖鳥やアンモナイトの化石の写真を見ていると
太古からどんな長い眠りについてきたのだろうか
と不思議な気持ちになります
もしかして化石も夢を見たのかしら。
慈雨の降る日は想像の世界で遊ぶのにふさわしい日
ですね。

     化 石

    愛されたという記憶
    誰も来ない深い森の奥で
    ひっそりと息を
    ひそめている
    あなたの声
    あなたの笑顔
    あなたの哀しみ
    長い長い時をかけて
    草木が生い茂ってゆく
    心の地層にそっと
    刻まれてゆく化石

    愛したという記憶
    燃える太陽の下
    草原を駆け抜けてゆく
    遊牧民の群れ
    私が語った夢
    私の瞳が見たもの
    私が感じた悦び
    あなたというオアシスで
    星のしずくを味わう
    あなたの心の地層にも
    いつか刻まれる化石

      慈雨の音―流転の海〈第6部〉 [単行本] / 宮本 輝 (著); 新潮社 (刊)

posted by なる at 09:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2012年02月22日

はじまり☆ 『海の輝き』

昔、清水から土肥までフェリーに乗ったことがあります。
真っ青な海が太陽の光を反射してキラキラしていました。
潮風にあたりながら船上で生命の煌めきを感じました。
素直に生きてて良かったと思った素敵な体験でした。

   海の輝き

    小さな波と小さな波が
    手を取り合って揺れている
    波が刻むリズムは地球の鼓動
    時に激しく時に優しく
    私たちに語りかけてくる
    生きようね 生きようね

    波は水で作られた彫刻
    一つとして同じものはない
    まだ風は冷たいけれど
    陽の光を思い切り吸って
    みんなできらきら揺れている
    生きようね 生きようね


posted by なる at 16:52| Comment(2) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

ブログ始めました♪

 ブログ始めました♪
わからないことだらけだけど私にとっては大きな一歩。
自分がどんな風に変わっていくかワクワクしてます。
とりあえず今までに書きためていた詩をアップしていく予定です。

posted by なる at 16:38| Comment(8) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

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