それは詩を作る上でも大切な要素です。
以前の私は人工的な美しか知らなかった。
ときには厳しい自然の中で真摯に咲く花。
その美しさや可憐さを教えてくれた方が
います。
その方が写真を使っていいよとお許しを
くださったことに感謝します。
そして素敵な雪割草にこの詩を捧げたいと
思います。
Photograph by Mr. Sakuo
花の輪舞‐雪割草‐
しんとした冬の日

そっと吐く息は真っ白
ちらちら降る雪の下
ひそやかに育まれる命が
地面に根を張っている
やがてほころぶ蕾
恥じらいながら
まだ汚れを知らぬ
無垢な魂の吐息が
風に運ばれていく
まだ見ぬ世界に
震え慄きながら
純潔の処女(おとめ)たちは
浅い眠りの中で
その時を待っている

アン・ドゥー・トロワ
厳しい自然の掛け声
少しずつ開く花弁は
まるで出番を待つ
バレリーナみたい
背中を押されて
舞台に飛び出した
幼いバレリーナの
チュチュが揺れる…
花が開花する瞬間だ
一つ、また一つ
雪割草は咲き始める
希望と慈愛に満ちた
処女たちの微笑みは
北風さえも和ませる