映画「リトル・ロマンス」では恋人同士がこの橋の下で
日没時にゴンドラに乗ってキスをすると永遠の愛が
約束されるという伝説が重要なエピソードと
なっていました。
しかし、実際に行ってみるとその橋は監獄への
唯一の橋。
渡っている最中に足が泥に吸い込まれていくような
すごく変な何かを感じて監獄内ではとても気分が
悪くなってしまいました。
監獄を出て、真っ青なイタリアの空を見上げた
時にはすごくホッとしたのを今でもハッキリと
覚えています。
ヴェネツィアというのはとても不思議な街です。
ため息橋
ため息橋を渡ると
そこは鉛の監獄
放蕩者のカサノバ
たった一人しか
脱獄できなかったという
二度と戻れぬと知りつつ
橋を渡らねばならぬ
囚人から出たため息
それで、ため息橋と
名付けられたのだ
鉛の監獄の壁には
今なお怨嗟の念と
恨みの涙が染みつき
救いを求める声が
はっきり聞こえてくる
光り輝く宮殿から
冷たい暗黒の世界へ
ため息橋を渡ると今も
心凍る世界があって
彷徨える霊がいる
それなのにいつしか
ため息橋の下で
日没時にキスした者は
永遠に結ばれるという
不思議な伝説が生まれた
人生とは何と面白いものか