とても妖艶な感じがします。
情熱的な恋をする女流歌人がその恋に悩む姿。
切なくてたまらないのに歌を詠む様子はとても
凛としているように思えました。
Photograph by Mr. Sakuo
木蓮‐その愛のゆくえ‐
川面に浮かんでは消える

泡沫のようにはかない恋
でもあの刹那の瞬間には
まことが存在したことを
二人は今も覚えている
情熱の嵐に翻弄されながら
私は薄紅色に染められた
どんなに手を伸ばしても
もうあの方には届かない
運命にはあらがえずに
成就しなかった愛を
決して色褪せぬように
薄墨で短冊に詠むのは
花びらに残された温もり