その凛とした姿に少し大人の純愛を重ねてみました。
Photograph by Mr. Sakuo
菫 ―純愛―
平凡な家庭で育ち
まじめに働きながら
身の丈にあった
暮らしをしていた君
僕は無情にもそんな君を
摘み取ってしまった
何もねだらず

わがままも言わず
いつも君は微笑んでいた
僕のずるさも弱さも
きっと知っていたのに
君は責めなかった
僕を愛しながら
僕を赦すために
いつも君は微笑んでいた
あまりの愛しさに
君の瞳を覗いたとき
かすかに揺れる哀しみが
流れ星となって落ちたあと
満天の夜空に煌めく星が
きらきらと輝いていた
君がどんなときにも
僕の進むべき道を
照らしてくれていたのか
僕はその道をずっと
君とともに歩いていこう