『源氏物語』に登場する女性たちはみなそれぞれに
魅力的です。
永遠に色あせることのない女性たち。
時には光源氏を凌駕しているような気がします。
愛され上手であることが受け身であるとは限らない。
最近、そんな風に考えるようになりました。
Photograph by Mr. Sakuo
紫式部-愛され上手-
私はとても不器用なの
愛欲の絵巻をひもとく様な
言葉を紡ぐのは得意でも
現実の世界では気位高く

ちっとも素直になれない
私の心の奥に隠してある
秘密の扉に気づく人は
きっと誰もいないだろう
だから物語のなかでは
明るい色の筆を使って
女人が秘めた心の綾を
鮮やかな紫に染め上げる
じっと文机に向かうとき
私の心は解き放たれて
男を蠱惑的に惑わす
愛され上手な女になる